馬体重が発表になると、必死に馬体重の増減を新聞に書き込んでいる姿をよく見ます。
そもそも、馬体重の増減をどう見れば良いのでしょうか?
まず、500kg近くある馬体重で前走から5kg程度の差をどう評価しますか?
前走が4週間前としまして、その差が5kgだったと考えてください。
変化は体重から言えば1%の変化です。4週間で1%の体重が変化したことをどう解釈しますか?
それは誤差の変化だと思いませんか?
そもそも一回のボロは2kg程度ありますし、尿もリットル単位で放出します。
また、海外の競馬を見てみますとレース前に馬体重を発表しているは国はそんなに多くありません。
パドックで馬の見方がわからない人は、パドックで暇を余して馬体重の増減を書き込んでいるという方が多いのではないでしょうか。
では、馬体重の増減という情報は意味のない情報なのかといえば、決してそのようなことはありません。
馬体重の増減はその日の馬のコンディションを知るうえで非常に重要な情報です。
馬体重の増減の理由は何?
馬体重の増減だけでは、意味がありませんが、馬体重の変化の意味が分かれば話は別です。
この馬体重の増減という数値が馬のコンディションを知るうえでの重要な情報となります。
仮に前走から20キロの増加でも、プラス要因の場合もありますし、マイナス要因の場合もあります。
この違いはどこから来ているのかといえば、馬体重の増減とその理由を把握することでその日の馬のコンディションを知ることができるのです。
成長による馬体重の増減
2歳や3歳の馬は、成長期でどんどん成長して、馬体重も大きくなります。
特に成長期の3歳馬の夏の休み明け馬体重の大幅な増加は、成長分の増加と見ることができます。
ここで、馬体重がマイナスなら調教の量が多かったのか成長がなかったのかということになります。
縦の比較になりますが、3歳馬の夏の休み明けに馬体重は多少減少しているけれど、休み前の馬体と比べて、見た目の馬体のボリュウームが大きくなったり、トモに丸みを帯びているということがあります。
このような馬はかなりのプラス材料です。
調教による馬体重の増減
レース前の調教の強さによって、馬体重の増減は変わってきます。
馬体重の増減は、調教の強さでも調整できるので、前回よりも軽めの調教か強めの調教かを確認してみるべきです。
例えば軽めの調教なのに馬体重が大幅に減っていたら疲れがありマイナス材料です。
季節による馬体重の増減
夏と冬では同じ調教を行っても、馬体の絞れ方がことなります。暑い中の調教では、すぐに馬体を絞れますが、冬だと同じ調教をしても馬体を絞ることができません。
ローテーションによる馬体重の増減
短期間の間にレースに使い込みを行えば、馬体重は減ってきます。
使い込みすぎて馬体重が減ってしかも、パドックでの歩き方がゆっくりと疲れた感じがあればマイナス材料です。
逆に使い込みがあっても、馬体重が増えており、パドックで生き生きと歩いている場合は、その馬は充実期にあり、プラス材料です。
長距離輸送による馬体重の増減
長距離の輸送で馬体重が大きく減少する馬もいます。
初の長距離輸送の場合に、体重が大幅減となれば、この馬は輸送に弱くマイナスと考えることができます。
馬体重の増減は理由と合わせて分析
同じ馬体重の増減という数値ですが、理由と合わせてみればその馬のコンディションが良くわかります。
このことを把握したうえでパドックで馬体を見ると、ほかにもいろいろな部分が見えてきます。